富士山の天然石にハマった父

夏に家族旅行で富士五湖観光をしたことがあります。
その前年に弟が結婚しましたので、それぞれの両親の親睦目的の旅に、私も車の運転要員として同行したのです。
河口湖から西湖、本栖湖方面へドライブしているとき「道の駅・なるさわ」の看板が見えたので、立ち寄ることにしました。
「道の駅」の物産所を見て、駐車場に戻りかけた時、同じ敷地内に「富士山博物館」という建物が立っていることに気づきました。
こういう施設は、入ってみるとえてしてがっかりすることが多いので、気乗りしませんでしたが、親たちが「入ってみよう」というのでついていきました。
ところが、これがなかなかのグレードでした。テーマはもちろん富士山。
太古からのその歴史、特に地質学的解説が、わかりやすくビジュアル重視で、立体的に展示されていて、意外に楽しめました。
館内には「鉱石ミュージアム」もありました。富士山は天然石の宝庫。
そのさまざまな種類のものが展示され、パワーストーンの販売もしています。
こういうものに目を輝かすのはやはり女性。
両家の母親たちが「きてい、すてき」と盛り上がっているのを見ていて、父親たちも興味をそそられたらしく、「お土産に何か1つずつ買っていこうか」と言い始めました。
たしかに、はじめての合同家族旅行、しかも弟夫婦の結婚記念の意味もあるこの旅行の土産に、ふさわしい縁起物ではあります。
「これは癒し効果だって」「こっちは××運だ」「子宝運はないの?」とにぎやかにやっている親たちを見ていて、いい旅行になったなと感じたものです。
結局、両家の親がそれぞれ選び、弟夫婦も一つ選んで土産にしました。買わなかったのは私だけです。
旅から戻って、そのパワーストーンはリビングのシェルフに置かれたのですが、どうやら母より父のほうが、この石のパワーにはまってしまったようです。
毎朝起きてリビングに来ると、お茶よりテレビより先に、その石を「なでなでする」のが日課になった、と母から聞きました。
凝り性のところのある父は、天然石の種類やパワーストーンについて自己学習。
いっぱしの「鑑定士」にでもなったみたいに、うんちくをわれわれ家族に披露するのです。
その話をする時の父はほんとうに楽しそうです。
そのうち、うんちくだけでは飽き足らなくなったらしく、父は「パワーストーン・ブレスレット」をネット通販で購入。
父からその値段を聞いてその安さに驚きました。それくらいの値段で本人が満足し、パワーももらえるならけっこうなことだと、母と話しました。
父が買ったのはタイガーアイという種類の天然石だそうです。
なかなか渋いデザインで、男がしていても嫌味な感じがしないので、息子としても恥ずかしくありません。
父は大変気に入ったらしく、「別のもほしいな。もう一つ買おうかな」と言っています。
適度な価格で楽しめて、精神的に安定するのですから、リタイア生活に入った父にはいい趣味ができたと思っています。

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